2.温度走性行動:「感覚受容」と「記憶・学習」の解析モデル
C.エレガンスは、わずか302個の神経細胞の回路をつかい、環境にある化学物質や温度などに対して実に多彩な行動をしめします。私たちは、そのなかでも、温度に対する行動である「温度走性」に着目し、ヒトまで共通する「感覚受容」と「記憶・学習」の遺伝子と神経生理のメカニズムを明らかにしてきました。
温度走性とは、一定の「温度」のもとで、「えさ」の存在する条件で飼育された個体が、温度勾配上で、過去の飼育温度へ向かう行動です。この温度走性の解析から、「温度の感知」と「記憶・学習」の基本メカニズムが明らかになると考えらます。